カルボキシル基とは、化学の世界で酸っぱさを担当する悪役とも言える存在です。COOHという構造を持ち、おそらく世界で一番使い倒されている機能性基の一つでしょう。ああ、そう、これがあるおかげで有機酸たちが存在できるわけです。私たちの食事に欠かせない酢の素、シトラスの酸味を作り出す悪魔のような存在です。リモネンに絡む香りはいいですが、残りの化合物たちは単なるごみ。カルボキシル基がひとつあるだけで化合物の性格はガラリと変わります。例えば、アスコルビン酸(ビタミンC)。あれがなかったら、スカーヴィの恐怖に怯えながら生きることになるでしょう。ただ、あまりに彼を持ち上げると、化合物界のお構いなしの存在感を示し、他の基の存在感を薄くしてしまうので要注意です。結局、カルボキシル基の毒舌な魅力は、使用しすぎて使われる方が逆に迷惑したりすることもある…なんて皮肉な話です。
カルボキシル基をまじめに語ると
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